無料ブログ作成サービス JUGEM
←prev entry Top next entry→
香港返還20周年を迎えて
hk96

香港返還20周年を迎えて

去る7月1日に香港は英国から中国に返還されて20年を迎えました。同日付の日経新聞によると、「香港は海外と中国を結ぶ中継地として発展したが、米国に次ぐ経済大国に成長した中国にとって香港の経済的な重要性は低下。習近平指導部は政治・経済の両面で香港の統制を強めている。中国の主権下で唯一、法の支配や言論の自由が保障された「自由都市」は紅(あか)く染まり、輝きはあせつつある。」と報道されていますが、今回の日経新聞の記事は明らかな誤報だと思います。

大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、香港の長期発行体格付けを最高の「AAA」に据え置いています。その理由として、香港は経済、金融、統治などの面で「一国二制度」が保たれており、多くの政策範囲が香港に認められた「高度な自治」の下にあり、「中国化」は見られないと指摘しています。

S&Pは報告の中で、中国に返還されて20 年を迎える中、香港は中国とのつながりが深くなっているものの、経済、金融、政府統治の面では中国と明確に異なる制度が維持され、「一国二制度」の枠組みに合致しており、香港が「中国化」へと変化を遂げたことを証明するような事象はなく、香港と中国の連動性が今後一段と強まったとしても、それは両地間の経済と金融システムが1997 年の返還以降に市場化の方向へと進んだことによるものにすぎないと結論付けています。

その上で、香港は多くの政策領域で「高度な自治」を享受していると報告しています。その一例として、香港の司法が世界の投資家になじみのある制度に保たれていることや、香港の財政と海外備蓄資産が香港政府によってコントロールされていることを挙げています。また、香港が資金の自由な流動性を代表するものとして中国と異なる通貨を採用している限り、香港の政策決定の独立性に大きな変化が生じることはないとの見方を示しています。
このほか、持続的な財政黒字と低い失業率が香港政府の政策決定に弾力性を与えていることや、政府の危機に対する対応力などを、香港の格付けを2010 年以降、「AAA」に維持している理由に挙げています。

私自身は今年で香港在住が15年目となりますが、この20年間で一番大きく変わったことと言えば、両地間の経済と金融システムが市場化の方向へと進んだことによって、中国人富裕層によるマンションの買い占めが発生し、不動産価格が大幅に上昇してしまいました。その一方、世帯別の平均所得が不動産価格の上昇に追いついていないため、ほとんどのサラリーマン世帯にとって不動産の購入が高嶺の花となってしまいました。新婚カップルの2組に1組がどちらの親と同居せざるを得ないというデータもあり、若い人達が中国に恨み節を言いたくなる気持ちも良く分かります。

私自身にとっても物価の高い香港での生活は楽ではありませんが、香港の経済自由度指数は22年連続で世界一の評価を受けるなど、外国人にとって最もビジネスをしやすい環境が香港にはあり、政府が必要以降に経済政策に関与しないレッセフェール(自由放任主義)は香港の宝と言えます。

2015年より上海と香港、2016年より深センと香港の証券取引所間の相互乗り入れ(直通列車)が開始され、外国人にも人民元建て株式の売買が開放されたことで、香港のオフショア人民元業務が拡大しています。今後も中国が開放すればするほど香港は国際金融センターとしての前途が広がっていくことになると思います。

ブログに合格点を!

にほんブログ村 株ブログ オフショア投資へ
にほんブログ村
| 香港IFA木津英隆 | 香港金融案内 | comments(0) | - | - | - |
Comment
name:
email:
url:
comments: