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混迷する日本の社会保障改革(12)
japan34

<前回より>

安倍晋三首相は5月28日夜、首相公邸で麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、自民党の谷垣禎一幹事長と会談し、来年2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを2019年10月まで再延期する考えを伝えました。

首相は前回の増税延期を決めた際、「2017年4月の増税は、リーマン・ショックや大震災のような重大な事象が起きない限り、実施する」と断言していました。5月26日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で、新興国経済の低調を示す統計をもとに「現状はリーマン・ショックの直前に近い」と認識を示したものの、多くのエコノミストやメディアからは異論が出ています。

日本経済の低迷が長期化しているのは、前回の消費税増税後の消費低迷だけでなく、日本の潜在的な経済成長力が停滞し、企業や家庭が一定の成長を前提とした消費や投資にお金をかけにくくなっていることが原因と言えます。

また、増税による税収増をあてにしていた社会保障関連の政策に影響が出るのは必至です。増税分はすべて社会保障の充実や安定化に使うとしており、税率を10%に引き上げた段階では、子育て支援や介護の充実、年金制度の改善に2.8兆円を投じる予定でした。ところが、再延期になれば今年度(1.35兆円)と同規模の状態が続き、社会保障の充実は遠のくことになります。

首相は自らの政権の支持率を維持するために、子育て支援や介護の充実、年金制度の改善といった社会保障制度の緊急課題を後回しにして、次の政権に託すつもりのようです。

国債や借入金、政府短期証券などをあわせた「国の借金」の残高は2015年末時点で1044兆5904億円もあり、国民1人当たり823万円の借金を抱えている計算になります。国家としての健全財政の条件は対GDP比100%以内と言われておりますが、日本国債の発行額は対GDP比で243%もあり、主要先進国の中では有史上例がない領域に突入しています。

内閣府調査で公的年金をもらえる額から支払った額を差し引いた生涯収支を世代間で比べると、「1955年生まれ(今年61歳)世代の収支は数千円のプラスに縮小し、それ以下の世代の収支はマイナスになる。最も損をする1985年生まれ(今年31歳)は712万円の受け取り不足になる」とのデータもあります。

臭いものには蓋をして、国民にとって耳障りの少ない政策を遂行するのは政治家の性と言えます。恐らく、次期政権でも現在の社会保障制度の抜本的な改革案の提示を期待することはできないでしょう。現在の現役世代の皆様は、老後の暮らしを公的年金制度に頼ることなく、自分の年金は自分で作る時代が来た、と考えるのが賢明です。
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| 香港IFA木津英隆 | 日本と世界経済 | comments(0) | - | - | - |
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